「孫子」の読み方⑤・③謀攻篇・山本 七平
③謀攻篇 戦わずに勝て
「彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず危し」
有名な名言でもあり、子どもの頃から知っている。
仲間内で、意味も理解せずに言っていた。
「敵を知らず、己を知らなければ、百選百敗だ!」
「勝と知る」 の 「五者」
1)双方の優劣を比較して戦えるか戦えないかを知ること。
2)兵力が多いか少ないかで運用が違うことをしること。
3)上下が一心同体で同じことを欲していること。
4)前もって先々のことを考え、考えていない相手のすきを待つこと。
5)将が有能で君主が余計な介入をしないこと。(作戦・軍政・指揮権への介入)
この五つの基準で自己と相手を対比して、
「彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず危し」 だと言う!
日本はこの前提を無視して、この言葉だけが進んでいる。
太平洋戦争開始の日本軍。
解説で多少考慮したのは2)だけでとある。
1)総合的に優劣を比較せず
3)泥沼の日中戦争で国民はうんざりして
4)軍需物資、石油の不足で陸海軍とも機動力を失って半身不随になる事を見透かされ
5)陸海軍バラバラで、統一的な総合指揮権も確立せず
これで、自己を知らずアメリカも知らず・・・・・・
出来れば戦いはしない方がよい。五たび戦う。
1)五たび勝つ国は災難に陥り
2)四たび勝つ国は疲弊し
3)三たび勝つ国は一時的覇権を得
4)二たび勝つ国は一国の王となる
5)一たび勝つ国は天命を受けた帝となる
軽微な損害と言っても戦えば被害が出る。
この言葉だけ知っていて、その気になるのが最も危険とある!
そうなると、風林火山の武田信玄は偉かったのか?
織田信長はどうなのかなと思ってしまう?
プロシアのビスマルクとモルトケ。
役割分担が出来ていてお互いの領域には踏み込まない!
アウステルリッツの戦い。三帝会戦!
ナポレオンの一元指揮と皇帝が口を出したロシア、オーストリア!
勝つには勝つだけの、負けるには負ける理由がある!
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