毛利元就・戦国最高の知将
山本七平・孫子を読んでいたら毛利元就がよく出てきた。
秀吉に間接的に影響を与えたようだ。
小早川隆景を秀吉は信頼した。隆景から元就の謀略を色々と聞いたようだ。
堺屋太一が二代目の事を書いているのに、毛利輝元がある。
その中にあった話だ。堺屋太一は出来過ぎた話と断っている。元就の言葉だ!
『我が家は今10ケ国ある。一度の危機で半分になっても5ケ国残る。更なる危機で半分になっても2ヶ国残る。それでも生まれ故郷、吉田の荘よりはるかに大きい!』
最初の信長との対決での危機、更なる危機、関ヶ原後長門・周防の2ヶ国になった。
この2ヶ国は、元就の言葉と符合する。
その時、輝元は爺さんの偉さを噛みしめただろうと言う話があった!
妙に印象に残っている。
宮城谷昌光 「歴史の活力」 に出ていた話だ。
ある時家臣に問うた。
「わしは昔の君主にたとえたら誰になるだろう?」
すかさずある儒臣が言った。
「周王朝を開いた文王・武王にくらべる事が出来ます」
元就は苦笑した。
「わしは今さらながら、周王朝の文王・武王及ばぬことを知ったわ。周王朝の文王・武王には汝のように面と向かって追従を言う臣等いなかったからだ!」
冷徹な現実主義者と言える。改めて調べてみたら色々出て来た。
知っている話も多いが、印象に残る話が多い。
①我が毛利家は、版図の保全のみを願い、天下を望むなかれ (天下を競望せず)
②当家の事、良かれと思う者、当国にも他国にも一人もいない。
③一芸もいらず、能もいらず、遊もいらず、履歴もいらない。ただ日夜ともに武略、調略の工夫をすることこそ肝 要である。
④謀多きは勝ち、少なきは負ける。
⑤百万一心 。「百万一心」=「一日一力一心」。日々皆が力を合わせ、心を一つにして事にあたること。
⑥昔から国を奪うのは皆、重臣である。明君賢主は重臣に権限を持たせず、自ら将士を率いるもの。もし重臣に権限を持たせれば、仕える者たちは、功労によって禄を得ても、これは主君からもらったものと思わず、重臣のとりなしと思う。そうなれば主君はかすんで、重臣だけが目立ち、重臣の権勢は強くなり、国中の士は重臣に心寄せるようになってしまう。(この話の例は中国に多い!宮城谷昌光を読めば沢山の例がある)
元就は時代が時代と言え、あまり人間を信じなかったようだ!
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