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2012年6月25日 (月)

草原の風・宮城谷 昌光 

三国志よりさかのぼること二百年。曹操・劉備・孫権の活躍にもひけを取らない、こんなにも面白い時代があった!中国史上燦然と輝く名君・光武帝が二千年の時を経て甦る!劉邦の子孫にして、勇武の将軍古代中国の精華・後漢を打ち立てた光武帝の若き日々を中国歴史小説の巨匠が鮮やかに描きだす。

20120625_book1

全3巻、上中下とそろってから読もうと思ったが、少し時間が経ってから読んだ。一気に読めた。
久しぶりの宮城谷昌光だ。
親父が退職して家にこもってからは、著者の本をよく持って行った。持って行くと喜んでくれた。
子供の頃、親父が漢字だらけの本を読んでいた事を覚えている。
何を読んでいるのかと思った。
学生の頃に分かった。 「十八史略」
改めて偉いと思った事も覚えている。

個人的な話になるが、歴史は日本では司馬遼太郎の本から知識を得た。
それから派生して言ったと思うが、戸部新十郎・南条範夫・柴田連三郎とか沢山読んだ。
古代の中国は、間違いなく宮城谷昌光の小説から知識を得たと思う。
三国志は、柴連三国志であらすじを覚えたが・・・・・・
どちらも断片的な知識しかないが、漫画しか読まない最近の若い連中よりは知識が有ると思っている。
宮城谷昌光の本は、日本だけでなく中国の政治家にも読ませればよいと思う内容だ。
いつも思うが、 「天命・神意」 と言う事が素直に感じれる。
それほど説得力があると思う。
この本には無かったが、くじ?と言うか、おみくじ?そう言うものも素直に信じれる。
人相と言うのも信じれる。

著者が描く主人公は爽やかである!
嘘をつかない!
弱者に対する思いやり!
いろいろ例えが出てくる。名言格言と言うべきか?
「文質彬彬」 孔子のことば。文:装飾。質:質朴。彬:備わり整っている。
「株を守る類」 韓非子のことば。たまたまウサギが木の切り株に当たり死んだ。これに味をしめ、働かずにまたウサギが当たるのを待ち、木の切り株を守った。
古代の聖王の政治をまねて、今の世の民を治めようとすようなもの、株を守る類に過ぎない。

「虚舟に人を載せすぎれば、稟しずむしかない」
「過てばすなわち改むるに憚ることなかれ」 間違ったらと思ったら、さっさと改める。

後漢王朝の始まりが描かれる。
やはり英雄は、乱世にしか出てこない?
劉邦の末裔たちが立つ。一杯いる。
その中から劉秀の青春時代から記述される。
生れた時から光るものが有る。
王莽に滅ぼされた漢を再興して、光武帝となる。
苦難の道を己の努力で切り開く。人に信頼され助けられる。
最初はアルバイトをしながら、常安で勉強する。友も出来る。変わった連中とも思う!

内容が著者も意識していると思うが、ダブる。
劉秀の祖先、劉邦と項羽との争い。
挙兵する。が先に立ったものは敗れる。
秦に対する反乱っも最初に立った 「陳勝・呉広の乱」」 も潰される。
劉秀は兄を殺されても従う。北へ行く。
この時に食料も尽きる。
この辺りは、重耳と介子推の関係を思い出させる。
徳を持ち信頼される。
敵をも許す!兄を殺した者も許す!
なかなか出来ないですよネ!
私目なんか絶対に出来ない。
自分で言っているだけだが、マムシと!執念深い、忘れない性格である!
嫌な奴!

密書というか、文章で2人の敵を殺す。
晏嬰の逸話として他に、3勇士を2つの桃で殺した話がある。公孫接・田開彊・古冶子の3人の勇将を退けたいと思い、2つの桃を用意して 「功績の高い者から食べよ。」 と言った。公孫接・田開彊が先に桃を取ると、古冶子が「私に功績が無いと言うのか。」となじった。公孫接・田開彊は自分の貪りを恥じて自殺し、古冶子も2人が死んで自分だけ生き残るわけにはいかないと自刎した。彼らの人となりをよく知り、あえて3人を罪に陥れて刑罰に服せずに(つまり自分の手を汚さずに)自決させたと言う。

劉秀は実際に一人は殺しせた。がもう一人は許したようだ!
辛い決断だ!
がこの話も出来過ぎではないか?時代がそう言う物かもしれないが、自刎なんか簡単にするのだろうか?

最後も出来過ぎの話と思う
「予言の書」 が出て来る。
奇書がある。 「赤伏符」
予言の書!劉秀の名前が書かれている。天下を治める。
そこに天命がある。
ちょっとどころか絶対に出来過ぎかと思うが・・・・
大変面白く、為になる本と思った。
名前に、全部ではないがところどころに、ルビをうってくれている。大変助かる!
恥ずかしいが、読めない字が多い!
次が楽しみである!

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