外交敗戦―130億ドルは砂に消えた②開戦後から支払いへ・手嶋 龍一
イギリスの外交官の言葉!
「敵についての知識は、神からも悪魔からも得る事は出来ない。洞察によってのみ手に入れる事が可能である」
「人の国に情報を頼っていて、どうして独自の外交を望めるのか?自らの力で検証できずに、自国の政策を満足に遂行できるのか?」
イスラエルは、日本に情報をくれたようだ!
インテリジェンスは、ギヴ&テイクの世界だそうだ!
イギリスはパイプ、水の補給とおもわれるパイプを破壊したい。それは日本が知っていた。
この業者の情報はイギリスに伝えられた。
これによりイギリスは日本にギヴをする。
イスラエルは戦後にかけていたと言う。
国連決議に反対したのはキューバとイエメン!
イエメンはフセインよりクウェート侵攻の分け前を貰う密約を結んでいた。
イエメンにとっては、高くついたようだ!
開戦の日本への連絡はあった。無視されたわけではない。
大使に通告したベーカー長官は、4日後に日本に対する請求書を突き付ける!
最初から、資金援助を期待していたようだ。
特に日本とドイツに!
この辺りのやり取りは読んでいて辛い。
現実に、資金と言ってもいくら出すのか?
変に策に溺れる。
こちらから言いにくい。いくら要求されるのかを探る!
最初はアメリカも130億ドルも思っていない。
外務省と大蔵省の対立がある。
最初は12億5千ドル。
10億ドルを明示すのに対立がある。外務省と大蔵省が責任のなすりつけあいをする!
次に30億ドルになる。
45億ドル、60億ドルとだんだん上がって来る。
長引けば長引くほど不利になる。150億ドルと言う数字が出て来る。
90億ドルの話が出て来る。
戦費を決める。
これには著者ははっきり大蔵省を批判している。そうとしか読めない!
橋本大臣とブレイデイ財務長官が会談する。
これは、サシで行われた。駐米大使は同席を断られた!
大使は原則として出席する。
同席を求めるが、双方の財務当局が取り仕切る。
大蔵省は、異存はないがアメリカが差しで会談したと言うのだからどうしょうもない!
と言うことで、同席できない。
大蔵省は予算を握っている。どうも逆らえないようだ!
この大蔵省対外務省を見た通産官僚は、外務省に冷ややかである。
「国益の為に大使の同席が必要なら、何度でも、どのような方法をとっても、自らの主張を訴え続け、少しも怯むでない。外務省は対大蔵戦争の単なる敗残者にすぎない」
この章を読んでいて、本当に嫌になった!
税金の使い道を何と思っているのかと思うが・・・・・・
90億ドルは全てアメリカに行くのか?他の国には?
円建てか、ドル建てか?
日本は円建てで今まで支払ってきた。が戦勝で90億ドルが85億ドルに減った。
同じくドイツは差額を認めてさっさと支払った。
余計に日本を追い詰めることになった!
結局は支払う。
何事もそうだが、やるなら」さっさとやるべきである!
遅れれば感謝もされない。厭々出しとんか!と言われる。
イギリスもフランスも金が欲しい。
この送金の窓口になったのは東京銀行。
思わぬ金に、運用して20億円を儲けたと言う!
アメリカがこれは絶対内緒だと言ったようだ。議会にばれればどうなるか分からない!
第2次世界大戦前のドイツへの外交の話が出て来た。
二元外交!大島武官と東郷大使。大島駐独大使は死んでもよいのではないかと思うが・・・・・・
この例も嫌になる話だ。
対日批判の中で、何とかしようとした人たちもいる。
その例が記述されている。
宝物を売り献金した小学生。
献血をした人たち。
日本でもやればよかったのにと思うが・・・・・
クウェートに感謝もされなかった。敗戦国だ。
勝利した国はイスラエルとイランとも言う。両者とも我慢した結果だ!
クウェート大使、日本大使館に逃げ込んだアメリカ大使を保護した。
アメリカが最も感謝するエピソードだが、無視に等しかったようだ。
最後に思ったことは、なまじ折衷案でリーダーを選んではいけないのでは?
村山、宇野、海部・・・・・・・
もっとも、鳩山、菅もいる。
平時であれば問題ないが、乱世ではもんだいがある。
気の毒であるが、なったのが間違いだった!
省益があって国益がない!情けなくなってきた!
大作である。
著者にはご苦労さんです、と言いたい!(著者は迷惑だろう)
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