ウルトラ・ダラー ・手嶋 龍一
1968年、東京、若き彫刻職人が失踪した。それが全ての始まりだった。2002年、ダブリン、新種の偽百ドル札が発見される。巧緻を極めぁ?紙幣は「ウルトラ・ダラー」と呼ばれることになった。英国情報部員スティーブン・ブラッドレーは、大いなる謎を追い、世界を駆けめぐる。ハイテク企業の罠、熾烈な諜報戦、そして日本外交の暗闇……。
わが国に初めて誕生した、インテリジェンス小説。
若かりし頃に偽札の事を本で読んだ。
要は儲けれないと記述されていた。
第2次世界大戦、ドイツ・ベルンハルト作戦!
ドイツがイギリスを混乱させるために偽造する。
儲かる商売ではない。相手の経済の混乱させるためにやるものだと思っていた。
今は印刷技術も発達している。
が、日本円を1000円や10000円の札らい偽造しても割に合わない!
100ドル紙幣でも10000円にしかならない。
よほど大量にうまく捌かなければ割に合わない。
個人が出来るものではない!
国家権力か、何か目的があってやる。
著者ならではの出来上がりではないか?
マイケル・バー=ゾウハー、フレデリックフォーサイス、フリーマントル並かと思う。ジャック。ヒギンス流ではないと思う!
インテリジェンス、謀略、冒険の複合された小説ではないか?
実話とフィクションがうまく組み合わさっている。
世界的な話になれば、主人公は日本人では辛い!
と言う事で、変なイギリス人?が主人公になる。パートナーはアメリカ人、マイケル・コリンズ。
物語は写楽のオークションから始まる。
終戦後の混乱があり現在に話が飛んでくる。
印刷工の拉致!
印刷機械の不正輸出!(日本製は性能が良い!)
ドル紙幣の特殊な紙を盗む!
現実にそういう事があるのかと思うが・・・・・・・・・
この事件に、日本語バリバリのイギリス人、スティーブン・ブラッドレーが介入する。
登場人物は多い。世界中に渡る。著者ならでは人脈のつながりを感じる。
モデル的な人はいる。
特に瀧澤勲アジア太平洋局長。過去の個人情報はともかくやっている事は、田中均の事だ!
間違いない!
分けの分からない人物に接触しているのもその通りだ。
偽札が出回る。これまでに何度か出現している。
がレベルが違う偽札が出現する。ウルトラ・ダラー!
面白い記述があった。
ドル紙幣は7割が海外で流通している。
利子を払う必要のない『ドル紙幣』という名の米国債を発行している。
それを欲しがる、香港・シチリア・コロンビアのマフィアたち。
世界が舞台になる。糸をほぐしていけば元が分かってくる。
この辺りはフォーサイス風と感じた。面白い!
偽札を見抜く機械がある。
これを日本のベンチャー企業が製作する。
が、偽札は多い方が発見への手掛かりがつかめる。
この会社の技術者が韓国から誘われる。
『今の日本の現状になる』
韓国と言えば、中国・北朝鮮の影がちらつく。
現在はパソコンがなければ何も出来ない。パソコンの操作も盗撮されている。
そしてハニートラップ!
今回はそうではないが、浮気現場のホテルの部屋の中が盗撮されている。『重要な地位にある人は注意ですよね!』
そうして脅迫に使われる。(日本は無防備と言われている)
糸がほぐれると、ウクライナが浮かんでくる。
かってシリアの原子力設備がイスラエルに爆撃された。
この設備に北朝鮮が援助している。
ウクライナは中国に、おんぼろ空母を売った。カジノ船にするからと言われて・・・・・・
ウクライナは武器の輸出国である。
巡航ミサイル、トマホークのコピーがある。ウクライナ製巡航ミサイル!
性能的にはいいものらしい。
これを北朝鮮が欲しがる。
核弾頭運送手段として。
弾道ミサイルの性能が確保できない。
なら巡航ミサイルに核弾頭を積む。
日本は射程距離に入る。
これを阻止するために、取引場所のフランス警察が動く。
見逃しそうになるが何とか阻止できる。
が北側は、取引がばれていることを察している。やめれば情報源が漏れる。
漏れないために、つかまる事が分かっていても計画を推進する。それほど重要な情報源だと言う事だ!
これは守らなければならない。
逮捕者まで出して、虎の子のスイスフランまで差し押さえられていても守る。
ではモグラは何処にいるのか?
アメリカ・イギリス・フランス・日本・・・・・・・・
はっきり言って、最後はみんな怪しく感じれる!
著者の人の悪さなのか?
著者はステーィブンはこの作品で終わりのつもりだったと感じた。
メチャメチャ面白かったです!
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