本・人間というもの・司馬遼太郎
『竜馬がゆく』『坂の上の雲』などの膨大な作品群によって、人間とは何か、日本とは、日本人とは何かを問い続けた国民作家・司馬遼太郎。本書は、数ある名作・名随想のなかから、混迷の現代社会を生きる上での道標とすべき珠玉の言葉を、テーマ別によりすぐったアフォリズム集である。歴史・文明への透徹した洞察、人間への温かなまなざし―司馬文学の魅力を濃密に凝縮したファン垂涎の一冊。
確かに面白い。何回か読んでいる。
単行本で読み、文庫本でも何回か読んでいる。
この度又ブックオフで見つけて買った本である。
面白い!
気になるのを集めてみた。
1、美人はわが身が美しいと思えばこそ、より美しくみえ、美しさを増す。才ある者は思いあがってこそ、膂力がある者はわが力優れりと思えばこそ、力を発揮する。『期待が人を育てる?』
2、人の一生は短いのだ。好まざることを我慢してやるより、好むことを磨き伸ばす。その方が大事である。
3、「一隅ヲ照ラス者、コテ国宝」最澄。
4、たとえ小人でも長所をとって小職に用いればよい。ただし長官に据えたり重職につけると国家をくつがえす。
5、人の好意をよろこばぬとかえって人は裏切る。
6、「世を動かすのは、これだ」 これは欲望をさす。
7、人間の一生のうち、飛躍を遂げようとおもえば生涯に一度だけ、渾身の知恵をしぼって悪事をせねばならぬ。
8、国家に責任をもっている専門家とか、その専門家を信用する世間の常識というものほどあやうくもろいものはない。大正末期から昭和初期の高級軍人や高級官僚は日本の把握が出来ず、幼児のようであった。
9、戦争は補給が決定する。その原則通り日本は負けた。
10、世間は他人の批評をするときはすべて道徳家になる。『大変よく分かる』
11、古来将軍の才能ほど稀有なものはない。源平争乱で将才を持ったのは義経だけである。戦国時代も数人しか出ていない。
12、光秀が聞く。勝手の秀吉の家臣に秀吉とはどう言う男だ。少しのてがらでもビックリする褒美をくれる。光秀は考え込んだようだ。
13、家康は誰よりも、信玄・謙信・信長・秀吉よりも長命だった。
14、家康は衆議にかけた。自分の案があっても幕僚の意見を聞いた。そうして幕僚たちの頭脳を練らした。『信玄もそうだったようだが・・・・』
15、白河以北は敬語が少ない。スチュワーデスを東北から採用しにくい。『和歌山は?』
16、日本と日本人は、国際世論のなかではつねに無視されるか、気味悪がられるか、はっきり嫌悪されるかのどちらかである。『まるで今の現状である』
17、日本人はその主君に対して忠誠心がない。『戦国時代まではそうなんだろう』
18、陸軍にあっては「戦車は戦車である以上、敵の戦車と等質である。攻撃力も防御力も同じである。これに疑問をいだくことは禁忌である。
19、名将とは臆病であらなければならない。それが自軍の欠点と利点を考える。
20、すぐれた謀略とはわざわざ罠を造ることではない。それは見えすいた作為で謀略ではない。たまたま発生してくる事象に少し手自然に近い作為を施すと言う。又ウソは誠実につかねばならない。誠心誠意だまさねばだませない!
21、人の運命は九割は自分の不明による罪だ
22、ある人物をひとに観察させるとき、よほどの器量の者にそれを見せなければ印象をあやまる。『信長の評価か?』
大変面白い本です。
時間がある時に読みかえしている本です!
« 本・城を攻める 城を守る・伊東潤 | トップページ | 清家信也&スロヴァキア国立放送交響楽団の浜松公演・2014年12月5日 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 本・零戦 その誕生と栄光の記録(2012/12)・堀越 二郎(2016.04.23)
- 本・韓国人がタブーにする韓国経済の真実(2011/6)三橋貴明・室谷克実(2016.04.22)
- 三橋貴明の、「大マスコミ 疑惑の報道」を読んで……… 万華鏡写輪眼の瞳術「別天神」(2016.04.21)
- 本・愚韓新論(2014/2)三橋貴明(2016.04.20)
- 本・物語 イランの歴史 誇り高きペルシアの系譜・宮田律(2016.04.19)
「名言格言」カテゴリの記事
- 本・交渉術 (2011/6)・佐藤 優(2016.04.10)
- 仕事でのトラブル……… 「泣く子と地頭には勝てぬ」(2016.03.10)
- 本・「ズルさ」のすすめ(2014/12)佐藤 優(2016.02.11)
- 本・お金に強くなる生き方 (2015/10)・佐藤 優(2016.02.02)
- 本・人に強くなる極意(2013/10)・佐藤 優(2015.10.20)
「坂の上の雲」カテゴリの記事
- 本・「坂の上の雲」と日本人・関川夏央(2015.03.23)
- 本・日露戦争史(①~③)③戦い・半藤一利(2015.03.09)
- 本・日露戦争史(①~③)②国内事情・半藤一利(2015.03.09)
- 本・日露戦争史(①~③)①開戦へ・半藤一利(2015.03.08)
- 本・「坂の上の雲」と日本人・関川夏央(2014.12.31)
「 戦国武将(武将)」カテゴリの記事
- 本・日本異譚太平記(1999/11)・戸部新十郎(2016.03.31)
- 本・戦国時代の計略大全(2011/7)・鈴木眞哉(2016.03.30)
- 本・戦国軍事史への挑戦“疑問だらけの戦国合戦像”(2010/6)・鈴木眞哉(2016.03.29)
- 本・NHK歴史番組を斬る!(2012/5)・鈴木眞哉(2016.03.26)
- 本・織田信長の外交 (2015/11)谷口 克広(2016.03.24)
「山本五十六」カテゴリの記事
- 本・零戦 その誕生と栄光の記録(2012/12)・堀越 二郎(2016.04.23)
- 戦闘機・紫電改 引き上げられた紫電改を巡る物語 「撃墜 3人のパイロット」(2016.04.21)
- 映画・ヒトラー暗殺、13分の誤算(2015.10.25)
- 本・第二次世界大戦 影の主役―勝利を実現した革新者たち(2013/8)⑤太平洋・ポール・ケネディ(2015.10.01)
- 本・第二次世界大戦 影の主役―勝利を実現した革新者たち(2013/8)④ノルマンディー・ポール・ケネディ(2015.10.01)
「 黒田官兵衛」カテゴリの記事
- 本・目からウロコの戦国時代・谷口克広(2015.03.18)
- 本・信長の政略: 信長は中世をどこまで破壊したか・谷口克広(2015.03.06)
- 紀伊・太田城・秀吉の水攻めに屈した城!(2015.02.23)
- 本・黒田官兵衛目薬伝説 目の神、鉄の神、足なえの神・(8人)(2015.02.20)
- 本・戦国史が面白くなる「戦国武将」の秘密・渡邊大門(2015.02.04)
「 織田信長 (織田関連)」カテゴリの記事
- 本・織田信長の外交 (2015/11)谷口 克広(2016.03.24)
- 本・ここまでわかった!明智光秀の謎(2014/9)・『歴史読本』編集部(2016.03.23)
- 本・織田信長 戦国最強の軍事カリスマ(2014/12)・桐野作人(2016.03.18)
- 本・戦国政略結婚史 ~浅井三姉妹が生きた時代・高野澄(2015.05.01)
- 本・天地雷動・伊東潤(2015.04.23)
「 豊臣秀吉 (秀吉関連)」カテゴリの記事
- 本・戦国政略結婚史 ~浅井三姉妹が生きた時代・高野澄(2015.05.01)
- 本・天地雷動・伊東潤(2015.04.23)
- 紀伊・根来寺・戦国の異能集団(鉄砲傭兵集団)(2015.02.23)
- 紀伊・太田城・秀吉の水攻めに屈した城!(2015.02.23)
- 本・牢人たちの戦国時代・渡邊大門(2014.12.10)
「 徳川家康 (徳川関連)」カテゴリの記事
- 本・戦国政略結婚史 ~浅井三姉妹が生きた時代・高野澄(2015.05.01)
- 本・天地雷動・伊東潤(2015.04.23)
- 本・こんなに面白いとは思わなかった!関ヶ原の戦い・渡邊大門(2015.02.05)
- 本・牢人たちの戦国時代・渡邊大門(2014.12.10)
- 本・人間というもの・司馬遼太郎(2014.11.30)
「 幕末」カテゴリの記事
- 本・人間というもの・司馬遼太郎(2014.11.30)
- 司馬遼太郎 歴史のなかの邂逅〈6〉村田蔵六~西郷隆盛(2013.11.27)
- 司馬遼太郎 歴史のなかの邂逅〈5〉坂本竜馬~吉田松陰(2013.11.26)
- 司馬遼太郎 歴史のなかの邂逅〈4〉勝海舟~新選組(2013.11.26)
- 幕末史・半藤 一利(2013.06.30)
この記事へのコメントは終了しました。
« 本・城を攻める 城を守る・伊東潤 | トップページ | 清家信也&スロヴァキア国立放送交響楽団の浜松公演・2014年12月5日 »
コメント