本・川中島の敵を討て・近衛龍春
越後守護代・長尾為景の末子・虎千代は、十四歳の時に還俗して景虎を名乗る。兄・晴景を助け、鎧袖一触、国内を平定した景虎。兄に代わって守護代に就くや、北条を攻めるべく関東に兵を進めた。関東管領となり、名を上杉政虎と改め、宿敵武田信玄と雌雄を決するべく川中島へ向かう。
真面目な小説である。
要は伝奇小説ではないと言う事を言いたい!
寺に入れられて、還俗させられる。兄がいる。
が謙信(謙信で通す)の方が出来が良い。こういう場合は問題が多い。
嫉妬!
実力で当主の座を勝ち取る。
毘沙門天に生涯の不犯を誓う!
そこまでしなければならないのか・
家臣の娘、近衛前久の妹、関東での妖艶な娘。
皆袖にする。『もったいない』
政略結婚は嫌だったんだろうが、珍しい武将である。
武田信玄も嫌な武将を相手にした。
関東甲信越は遅れている???
自立している勢力が多い。
土豪?
名門意識があり、狡猾なのか?
直ぐに変心する。裏切りなど日常茶判事なのか?
謙信は変わっている。
普通は領土が欲しい。信玄なんかはそうだ。
が頼まれたからと言って戦いを挑む。
異次元の人間なのか?
そのくせ軍神の如く戦いに強い!
が越後内部もまとまっていない。
中央集権になっていないのか?
わずかな土地争いで揉める。
謙信は嫌になり出家しようとする。
サア大変。みんなで謝り元に戻る。
これが関東に行けば、行った時は謙信に服従する。
が越後へ帰れば元の木阿弥になる。
謙信は京へ上がっている。
それも5千の兵を連れている。
問題の松永弾正がいる。
のちに織田信長に対して同盟?協調する。
将軍義輝に弾正成敗を具申する。
が義輝は煮え切らない。
謙信が越後に帰った時が心配になる。
結局何もせずに越後に帰る。
北条に包囲された唐沢山城。
ここにわずかな共を従えて城内に入る。
北条は手を出せない。
軍神の化身と言われる。
小田原城を10万と言われる兵で包囲する。
が謙信直属の部下ではない。
関東の諸将である。
戦意も不足している。
農家の収穫の問題もある。
織田信長のように、常備兵ではない。
農閑期しか戦えない。
越後は相変わらず反乱も多い。
信玄が調略してくる。
これに対して謙信側も武田に対して調略を行う。
謙信配下の軒猿。凄腕の忍びがいる。
武田の忍びを17名殺す!『本当かな?』
信玄の信濃侵攻に対して謙信も受けて立つ。
信濃の豪族達が謙信に助けを求める。
義によって立つのだろう・・・・・
そこで川中島の合戦になる。
第一回、第二回、第三回と戦い、高名な第四回になる。
信玄は影武者を使っている。
著者は啄木鳥の戦法と、山本勘介の献策を取り上げていない。
実際に現地に行っている。
謙信が陣を構えた妻女山に実際登っている。
この場所に1万3千人は在陣できないと言う。
武田側が啄木鳥戦法で通った道。
地元の人間もその時間では歩けないコースのようだ。まして夜である。
謙信は「車懸りの戦陣」をとったと言う。
がそんなものではないだろう?
戦いの中でそう言う陣形になっただけではないのかと!
この車懸りの陣と呼ばれる戦法は、各隊が放射状に並び風車のように回転しながら敵に当たるというものである。
最初に敵に当たった部隊が一旦退くと、すぐ次に新手の部隊が攻撃する。これを繰り返すことによって、敵は常に応戦しないといけないが、自軍は休憩を挟む部隊が出来る分有利になる。
実際に出来るか?
初めて聞いたときはまだ中学生の頃だ。
訳も分からず凄い戦法と思った。
が今はそうではない。実際に戦っていてそんな事が出来るのか?
絶対に無理と思う!
後世の創作ではないか?
が秋山真之はこれを参考にしたと言う。
海上ではなるほどそうなる場面がある。
要はそんなに決められた戦術で戦ったのではないと思う。
後は大将の力量と、部下の対応である。
典厩信繫が戦死する。
まれにみる戦死者が出た戦いだったようだ。
戦闘場面は迫力がある。
面白かったです!
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