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2015年3月 8日 (日)

本・日露戦争史(①~③)①開戦へ・半藤一利

国はどのように戦争に至るのか?人はなぜ戦争を始めるのか?近代日本に決定的な転機をもたらした日露戦争を詳細に描く大作。

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単行本で3巻の大作である。
日露戦争と言えば司馬遼太郎、坂の上の雲がある。
秋山好古・真之兄弟を主役に持って来ている。
これは小説と言い、ドラマと言い面白かった!
今回はあまり登場しない!
歴史探偵、半藤一利なので色々な資料から新たな事実(?)を記述している。
又太平洋戦争時との、日本の首脳陣の考えの違いを記述している。
新しい事実もあり大変面白い。
現状への認識がある。
時代は朝鮮半島、清は何処の勢力に入るのか???
列強の争いである。
取らなければ損である???
良くは無いがそう言う時代である。
清・朝鮮半島の意志は関係ない。
ロシアは満州・朝鮮半島を取ろうとする。
日本にとっては防衛戦争になる。
ロシアと戦争になる。
が明治の首脳は国情を把握している。
ロシアの歳入は20億円で、日本は2億円の歳入しかない。

日英同盟を結ぶ。
その前に日英独の三国同盟と言うのがあったようだ。
第二次世界大戦の、日独伊露の四国同盟もあったようだが・・・・・・
日本国民は英国と対等の同盟を結べた事を喜んだ!

戦争の終わりを想定して開戦になる。
イギリスは日英同盟で仲裁できない。
フランス・ドイツもロシアに近いと言うより同盟国である。
となれば仲裁できる大国はアメリカしかない!
そう言う認識で動く!
太平洋戦争。
ドイツの勝利のみを当てにして、まともに終わりを考えていない。
バスに乗り遅れるな!

日露戦争に参加した軍人たちがいる。
後に太平洋戦争時の将官になっている。
著者も嫌味で記述しているのか?
負傷、後送されている軍人が多い。
戦っていても一時期だけである様だ。
もっとも大物として伏見宮がいる。
嶋田繁太郎、荒木貞夫らもいる。
戦いの後の実を取るのは必死で戦った人たちではない様だ・・・・・
そういう人達は戦死している!
幕末維新の後の山県有朋が良い例なのか??
山本五十六は日本海海戦を戦い負傷している。

情けなくなる話がある。
暗号をロシアに読まれている。
「貴国の暗号は、暗号と思っているのは貴国だけで、他の国にとっては平文と同じである」
ロシアの高官に言われる。
「私の名前がかわったようですネ!」
暗号解読していることがマルバレである。
国交断絶の通告もばれていたようだ。
仏大使に「お別れですね!」
と言われたようだ!
おおらかな時代である!
第2次世界大戦のアメリカ、イギリス。
暗号解読の事実は、犠牲を出しても守ったようだ!
日露戦争時は、日本に暗号解読していると教えている。
日本も舐められている・・・・・・

さまざまな参加者の証言を拾い出している。
それだけでも相当な作業になると思う・・・・・・
読み応えのある本である!

やはり日露戦争については、「坂の上の雲」の影響が大きい。
二郎なんか何回読んだか分からないし、ドラマも何回も見ている!
戦争までの流れがある。

ロシアは鉄道保護を目的に、大軍を満州に送り込み、満州で清国人3000人を虐殺したようだ。
日本は朝鮮半島を防衛線と考える。
満州はロシアが確保してもよい。
満韓交換説!
どちらにせよ朝鮮半島、満州の国民の意志は関係ない!

坂の上の雲では、ロシア皇太子が日本に来たことが記述されている。
この本ではその記述は無い。
が代わりに、クロパトキンが日本に来たことが記述されている。
日本も敵愾心丸出しだったようだが・・・・・・

著者ならではの、太平洋戦争との比較がある。
開戦前に、山本海軍大臣と、陸軍児玉源太郎が戦略の打ち合わせを行っている。
太平洋戦争はどうだったのか?

ドイツの観戦武官のロシア軍の分析がある。
ドイツはロシア寄りである。
「兵質不良の烏合の集団である!」

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