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2015年3月19日 (木)

本・海のサムライたち・白石一郎

海に薄情な日本人たちよ。かつてこの島国には、海のサムライたちがいたではないか。古代の海賊王・藤原純友、村上海賊衆と松浦党、九鬼嘉隆や小西行長などの戦国武将、さらには三浦按針、山田長政、鄭成功などの国境を越えて戦い抜いた英雄たちの生涯を、海洋小説の第一人者が愛惜をこめて描く歴史読物。

20150319_book1

著者の本もよく読む。好きな作家だ!
エッセイであった。ホテルに泊まりステテコで部屋の外へ出てしまい、部屋のキーがロックされた。
そう言う失敗話もあった。
十時半睡事件簿!10時半には寝ると言う事のようだった・・・・・・
面白い人と思った。

水軍と海賊!
どう違うのか?
同じようなものでもなさそう・・・・・・・
海を通る船から通行料を取る。
海の関所!
陸にもあるのだから、海にあってもおかしくは無い・・・・・・

藤原純友から始まる。
子供の頃は、藤原と言うので、藤原氏の同族と思っていた。
同時期に、平将門が関東で反乱する。
東西で相呼応して起つ!示し合わした?
そんな事は無いだろう・・・・・・
第一連絡をどうするのか??
結局刑死する。
なにか中途半端な感じがする。

村上水軍、松浦水軍、九鬼水軍が登場する。
「実を重くし、名をむさぼらず」
特に松浦水軍は、元寇のときに活躍する。
が恩賞は無い。国が頼りにならない。
自分達で自立する。
倭寇になる。
が、その掟は民主的と言う???
倭寇の時は、明である。
明は自由貿易を認めなかった。
自由貿易であれば、海賊の活躍する場は無い!
倭寇と言っても、中国・朝鮮・琉球と倭寇に参加している?
参加と言うのは語弊があるのか?
信長・秀吉の天下統一により、松浦水軍も終息に向かう。
名も残っていない!

本願寺への兵糧の輸送に、毛利水軍、村上水軍が参加している。
織田水軍大敗!
これにより信長が、鉄工船を造る。
この敗戦に九鬼水軍は参加していない。『していたと思っていたが・・・・』
村上水軍は小舟である。
水軍は技術がいる。
船の運航、火薬の調合、船の上での戦闘!
これは村上水軍が九鬼水軍より進んでいる。
その答えが鉄工船だが、これはこの海戦用として造られる。
やがり鈍重である!

三田に行った時、九鬼家は三田は鳥羽から移封している。
大きな池と言うか、湖では無さそうだが、ここで船の訓練をしている絵があった。
水軍と言う特異な技術集団を、徳川は認めなかった!
残念である!

小西行長に一章を割いている。
イメージは良くない!
関ヶ原でもたいした戦いはしていないと思う。
商人の出と言われる。
著者も影が薄い人と言っている。
朝鮮侵攻時の海の司令官とも言われる。
三成とも仲は良くなかったのでは???
国際的な感覚もあったようだ。
死がローマに伝えられた時は、全ローマ市民に祈念を命じたと言われている。

三浦按針、山田長政、荒木宗太郎とある。
鄭成功!
明の回復運動を行った。英雄である。
名前は良く知っていたし、凄い人と思っていた。
が歳を取った。
明が滅び清になった。
明と清とはどう言う違いがあるのか???
明の再興を掲げたが、すでに明は使命を終えていたのではないか?
鄭成功自身、いろいろ問題があったようだ。
高邁な人であるが、兵家ではない!
あわや北伐で明の再建かと思えるところまで来たが、詰めが甘いようだ!
日本が援軍を送っていたらどうなっていたか?
鎖国は無かったかもしれない!

最後に徳川水軍と鎖国がある。
徳川水軍は雄藩より貧弱だったようだ!
ペリーの来航の9年前に、オランダ国王が『長年の友好の信義』を思いあえて忠告した。
『すみやかに鎖国を撤廃し、開国通商ふみ切れ』
これに対する幕府の返事!
『交易貿易はしているが、両国は信頼関係にあるのではない!』
『2度とこのような書簡をよこしてくれるな!』

鎖国政策の功罪!
徳川時代、ヨーロッパから日本を征服に来るだろうか???
資源も無い、(当時は金があったようだが・・・・)単一民族で統治に手を焼くのは見えている。
鎖国の功罪は、徳川幕府が270年続いたことだけではないか?
徳川の文化は、温室のような文明で、世界には影響を与えていない。
海への関心を無くし、技術の退廃を招いたのではないか?
と著者は言う!

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