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2015年8月27日 (木)

本・日本のいちばん長い日 (角川文庫–1973/5)・ 大宅 壮一 (編) ・半藤一利

昭和20年8月6日、広島に原爆投下、そして、ソ連軍の満州侵略と、最早日本の命運は尽きた…。しかるに日本政府は、徹底抗戦を叫ぶ陸軍に引きずられ、先に出されたポツダム宣言に対し判断を決められない。8月15日をめぐる24時間を、綿密な取材と証言を基に再現する、史上最も長い一日を活写したノンフィクション。

201508027_book2

この本は文庫版で出版された時に読んでいる。と言っても相当前である。
半藤一利が書いたことは知っていた。
著者の本としては初めて読んだ本である。
この夏に「映画 日本の一番長い日」のリメイク版を見ている。
それから「聖断」を読んだ。
終戦の前の一日を描いている。
興奮の本であった。
映画は、三船版と役所版がある。
三船版の方が原作に忠実である。
石山健二郎・伊藤雄之助・天本英世・田崎潤と言うベテランと言うより、怪優と言うべき俳優が印象深かった。
登場するだけで絵になる。島田正吾も出演していた・・・・・・
役所版では知らない俳優の方が多かった。

原作は、厚木基地の小園安名の反乱も描いていた。
田崎潤が好演していた。適役である。
この副官も平田昭彦で、適役だのを覚えているが・・・・・・
それに特攻隊の出撃もあった。
これは泣けてくる場面だったが・・・・・・・・
役所版では無かった場面である。

天本英世が佐々木大尉で学生を率いて首相を襲う!
これは役者が違う!!
と言うか好演だった。
天本英世の喋り方が何とも言えない!

ドラマは一日を時間を追って描かれている。
人間ドラマである。
この当時はまだ生存者も多く、調べて証言も取っている。
生き生きと描かれている。
主な話は陸軍である。
降服に反対する。
徹底抗戦である。
阿南陸軍大臣は、華々しい戦歴は無い。教育畑の人間である。
徹底抗戦と言っても、実際に上陸されると、国民をどう避難させるのか??
それも無しで戦えるのかと疑問に思っている司令官もいた様だ。
実際に陸軍はどれだけの成算が合って本土決戦を主張したのか??
そう思うと情けないが・・・・・・・

時間を追って陸軍の若手将校のクーデターが敢行される。
阿南陸軍大臣から、立たないと言われている!
が実績を作れば動いてくれると信じている。
説得を井田中佐に任せる。
他力本願の感じがしないでもないが・・・・・・・・
兵を動かすのにも騙しである。
近衛師団では東部軍が動くと!
逆も言っている。
そうでもしなければ兵は動かない!!
どこかで無理が出る!
師団長射殺になる!!
その時点でクーデターは失敗である。

佐々木大尉が兵を動かそうとするが、中隊長に拒否される。
あらかじめ佐々木大尉が何をするか分からないので、旅団長が言う事を聞くなと命令している。
そう言う例もあるのだろう。
佐々木大尉は終戦後も地下に潜り時効を待った。
時効後、襲った鈴木貫太郎の息子、一に謝ったそうだ!!

田中軍司令に決起を促しに行った畑中少佐が、逆に言われる。
「俺のところに何をしに来た。貴様の考えている事はわかっとる。何も言わずに帰りたまえ!」
畑中少佐の自分の意見を言う放送局の場面!
阿南陸軍大臣の自決後の、竹下中尉の悪魔のささやき。
大臣の印を使い命令を出しクーデターを続行させる????
クーデターの処理を行い、その後自決した田中軍司令!!
放送を一日伸ばしたいと考える陸軍大臣。
が鈴木首相はアメリカ一国相手のこの時期を逃したくない。
一日遅れればソ連の侵攻が有り得る。
米内海軍大臣と陸軍大臣の対立。
海軍大臣も海軍を抑えるのに苦労している。
さりげなくその場面を入れている。
阿南陸軍大臣自決後に弔問に訪れている。
本も映画も面白い!!
今決定版が出ているが、立ち読みに行きたい。
違いが多ければ買いたい。
が昭和63年発行である。ちゃんと置いておけば良い状態で置いとける。
引き続き半藤一利を読み返したい!!


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