本・日本のいちばん長い日 (角川文庫–1973/5)・ 大宅 壮一 (編) ・半藤一利
昭和20年8月6日、広島に原爆投下、そして、ソ連軍の満州侵略と、最早日本の命運は尽きた…。しかるに日本政府は、徹底抗戦を叫ぶ陸軍に引きずられ、先に出されたポツダム宣言に対し判断を決められない。8月15日をめぐる24時間を、綿密な取材と証言を基に再現する、史上最も長い一日を活写したノンフィクション。
この本は文庫版で出版された時に読んでいる。と言っても相当前である。
半藤一利が書いたことは知っていた。
著者の本としては初めて読んだ本である。
この夏に「映画 日本の一番長い日」のリメイク版を見ている。
それから「聖断」を読んだ。
終戦の前の一日を描いている。
興奮の本であった。
映画は、三船版と役所版がある。
三船版の方が原作に忠実である。
石山健二郎・伊藤雄之助・天本英世・田崎潤と言うベテランと言うより、怪優と言うべき俳優が印象深かった。
登場するだけで絵になる。島田正吾も出演していた・・・・・・
役所版では知らない俳優の方が多かった。
原作は、厚木基地の小園安名の反乱も描いていた。
田崎潤が好演していた。適役である。
この副官も平田昭彦で、適役だのを覚えているが・・・・・・
それに特攻隊の出撃もあった。
これは泣けてくる場面だったが・・・・・・・・
役所版では無かった場面である。
天本英世が佐々木大尉で学生を率いて首相を襲う!
これは役者が違う!!
と言うか好演だった。
天本英世の喋り方が何とも言えない!
ドラマは一日を時間を追って描かれている。
人間ドラマである。
この当時はまだ生存者も多く、調べて証言も取っている。
生き生きと描かれている。
主な話は陸軍である。
降服に反対する。
徹底抗戦である。
阿南陸軍大臣は、華々しい戦歴は無い。教育畑の人間である。
徹底抗戦と言っても、実際に上陸されると、国民をどう避難させるのか??
それも無しで戦えるのかと疑問に思っている司令官もいた様だ。
実際に陸軍はどれだけの成算が合って本土決戦を主張したのか??
そう思うと情けないが・・・・・・・
時間を追って陸軍の若手将校のクーデターが敢行される。
阿南陸軍大臣から、立たないと言われている!
が実績を作れば動いてくれると信じている。
説得を井田中佐に任せる。
他力本願の感じがしないでもないが・・・・・・・・
兵を動かすのにも騙しである。
近衛師団では東部軍が動くと!
逆も言っている。
そうでもしなければ兵は動かない!!
どこかで無理が出る!
師団長射殺になる!!
その時点でクーデターは失敗である。
佐々木大尉が兵を動かそうとするが、中隊長に拒否される。
あらかじめ佐々木大尉が何をするか分からないので、旅団長が言う事を聞くなと命令している。
そう言う例もあるのだろう。
佐々木大尉は終戦後も地下に潜り時効を待った。
時効後、襲った鈴木貫太郎の息子、一に謝ったそうだ!!
田中軍司令に決起を促しに行った畑中少佐が、逆に言われる。
「俺のところに何をしに来た。貴様の考えている事はわかっとる。何も言わずに帰りたまえ!」
畑中少佐の自分の意見を言う放送局の場面!
阿南陸軍大臣の自決後の、竹下中尉の悪魔のささやき。
大臣の印を使い命令を出しクーデターを続行させる????
クーデターの処理を行い、その後自決した田中軍司令!!
放送を一日伸ばしたいと考える陸軍大臣。
が鈴木首相はアメリカ一国相手のこの時期を逃したくない。
一日遅れればソ連の侵攻が有り得る。
米内海軍大臣と陸軍大臣の対立。
海軍大臣も海軍を抑えるのに苦労している。
さりげなくその場面を入れている。
阿南陸軍大臣自決後に弔問に訪れている。
本も映画も面白い!!
今決定版が出ているが、立ち読みに行きたい。
違いが多ければ買いたい。
が昭和63年発行である。ちゃんと置いておけば良い状態で置いとける。
引き続き半藤一利を読み返したい!!
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