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2015年9月24日 (木)

本・ロジスティクス―戦史に学ぶ物流戦略①ロジスティクス(1993/8)・谷光 太郎

ロジスティクスという言葉は、システムとしての物流管理、という意味で最近使われることが多いが、元来、軍事用語であった。近代戦の中で培われたロジスティクスの概念やノウハウを、現代のビジネス・ロジスティクスに生かす方策を探る。

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この本を読んだ時、目から鱗だった!!
メチャメチャ面白かった。
それ以来 「谷光太郎」 のファンである。(迷惑かも・・・・・・・・)
特に日本のだらしなさがよく分かる。
「塩野七生」が登場する。
防衛大学校の卒業式の祝辞である。
「兵を餓えさせない事。ロジェステックの重要性を、古代の名将を例に出して祝辞を行ったようだ!」
日本のロジェステックのだらしなさからは適切な意見なんだろう・・・・・・・
「軍規も、勅勅も、戦陣訓も、百万遍の精神訓話も餓えの前には全然無価値だった」 と言う!

日本人は戦闘だけが戦争だと思っている。
湾岸戦争がある!
地上戦は100時間でけりがついた。空爆を始めてから1ヶ月ちょっとである。
が軍の展開に6ヶ月、撤退に10ヶ月かかっている。

秀吉を褒める。鳥取城攻防戦に賤ヶ岳の合戦。
戦国武将は補給を考えていた??
日本陸海軍を批判している。
戦国武将でさえ昭和の陸軍より補給を考えている。

南北戦争がある。輸送、通信を使った初の近代戦と言う!
高坂正堯の本にある。プロシア参謀長モルトケが言ったと言う言葉。
「二つの武器を持った暴徒の争いには興味はない!」
北軍は兵の半分が兵站についていた。
それぐらい補給を考えている。
そのモルトケは鉄道・通信を重視した。
何より兵の迅速な移動を重視している。兵站である。
そして連絡!
それにより、デンマーク、オーストリア、フランスに勝つ。
アメリカ・スペイン戦争。マハンは海上補給路を重視する。
陸軍国・ドイツと海軍国・アメリカの違いなのか??
日本も海軍国であるが・・・・・・
日清戦争。
日露戦争。
第一次世界大戦と例がある。
中国大陸に進出した日本の陸軍の兵站のお粗末さ!!
負けた方は補給戦に負けている。
第一次世界大戦も、イギリスもあやわと言うところまで行っている。
その戦訓を、チャーチル、ルーズベルトは理解している。
それが第二次世界大戦に生きている。
学ばなかった日本は反対の方向に進む???
補給と言う物の考えがなっていない??
と言うより無い!!
自己の常識がある。
相手も同じと考える。
それが日本陸軍のようだ。

会戦があるとする。
会戦なので補給がいる。
アメリカは自動車社会である。
トラックをはじめ車に国民がなじんでいる。
補給も昔は軍馬である。
馬の補給と餌、体調と言うが馬調の管理が大変である。
水・餌もきっちり与えなければならないし、馬のひずめも洗う。
山本七平も戦争中、馬を管理していた。公害ならず黄害と言うか馬糞の始末に苦労した話があった。
ノモンハンの会戦も、ソ連の機動力を見くびっている。
日本は自国がそうなので相手もそうだろうと思うが、そんなものでは無い。
「ソ連の機動力を想像出来ない」 夢にも思わなかった・・・・・・・
もっとも海軍も、アメリカの戦力と言うか生産能力を想像出来なかった参謀が多い。

元総理宮沢喜一がいる。
自身東大法学部卒で、記者などの学歴を聞き、東大ならば何学部か聞く。
法学部以外認めていないと言う。
日本陸軍は 「陸大出に非ざれば人に非ず」
戦略・作戦偏重である。
ロジェステック、通信、情報、航空戦術は軽視される。
輜重兵科は落ちこぼれが行くところである????
実際に砲弾の輸送の例がある。
運べる弾数まで記述されている。よくあの中国大陸で戦ったと思うが・・・・・・・・
馬・人では輸送量は限られる。
中国大陸でトラックを使っている。自国製ではなさそう・・・・・・・・・・
この砲弾の使用量の推測も出来ない。
足りないところは精神力になる。
現在と何も変わっていない。
道路の交通量の予測。たいがいどころかほとんど当たらない。
が、誰も責任を取らない!!

「断じて行えば鬼神も避く」
「不可能を可能にする」
「溌剌たる指揮」
「迅速な機動」
「追随を許さない創意」

参謀は、三暴と言われた。
「横暴」「無謀」「乱暴」
「今や、軍は、周到着実なる作戦準備に邁進しておりまして、築城の促進、訓練の向上、新戦法の採用等、日と共に、『待つあるを恃む』 の必勝体制を完整しつつあります」

美辞麗句が並んでいる。
こんな文章を考えている。

「マリアナ地区は、たとえ海軍航空がゼロになっても敵をたたきだせる。計算では1キロあたり3,3門あればよいところへ、軽砲5門配置される予定」
何の根拠もない!!
読んでいて嫌になる!!
作戦重視で作戦だけ考える。
自分で考えない。成功の戦訓ばかり丸覚えする。

日本はアメリカの戦法を理解しているのか??
研究していてある程度は分かっている。
実際はどうか?
本土決戦を叫ぶ若手将校達!!
どうやって戦う気でいたのだろうか???
部隊の移動さえ出来ないと思うが・・・・・・・・

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