本・技術大国幻想の終わり これが日本の生きる道(2015/6)・畑村 洋太郎
「技術では負けていない!」という思い込みを捨てよ。「品質」「機能」はもはや競争力にはならない。これからは人々の欲しがる「価値」を突き詰めろ!日本を代表する工学者が、日本の生きる道を国内外の産業の現場を見て議論して考えた。
著者の本はよく読んでいる。
吉川良三との共著は大変面白かった。
特にサムスンに負けっけぱなしの日本の状況はよく分かる。
実際にヨーロッパで、サムスン、LGを見ているだけに、良く分かる。
日本のガラパゴス化と言う!
日本は1億人以上の人口がある。
そこだけで商売になる。その中での競争になる。
日本はなんせ差をつけたがる!
より静かな・・・・・・・・
より鮮やかな・・・・・・・・
著者の本だったと思うが、インドでは扇風機なんか静かなのは売れない。
回っていないと思われると言う表現があった。
日本の技術力は優れている。そう思いたい!!
が絶対ではない。
飛びぬけて日本が優れている技術はあるのか???
他国で事故等起こると、日本では考えられないと言う事をよく言われる。
が東北の震災で福島原発の事故で、ボロがだいぶ出た。
解析プログラムはあり、原子炉の状況を把握する。
これがアメリカが開発していて、日本の自前のプログラムが無かったようだ。
だから状況が分からなかったようだ・・・・・・・
この時新幹線は事故を起こしていない。
実績が物を言う!新幹線は安全神話で売り込める。
原発も想定外とは言え、事故を起こさなければまだ原発は止めようとは言われない。
現実に原発に代わる発電設備は無いようだ。
太陽光、風力があるが、とても足らない。
と言う事で、原油の輸出になる。
足元を見られてふっかけられる!
アベノミクス、円安がある。
今石油は下がっている。陰謀と思うが・・・・・・
この時期に原油を輸入するには金がいる。
金は物を売って稼がなければならない。
何を売るのか?
日本は良い物は高くとも売れると言う神話がある。
な海外では通用しない。
特に新興国はそうである。
昔は鉄道が輸送になっていた。
が新興国では鉄道を飛び越えて自動車になる。
電話も固定電話が無くて、一挙に携帯へ進む。
そう言う時代なって来ている。
そう言う国が大多数である。
その事情に合わせた商品を開発し売る。
これが欠けていると言う。
これに対応できたのが韓国と言う。
UAEの原発の韓国の受注!
王族とのコネに韓国政府の保証等で受注したとか言われるが、謙虚に敗因を分析していないと言われる。
日本は傲慢さがあると言う。
確かに韓国の原発は問題があると言うは良く聴くが・・・・・・・・・
問題点があぶり出されて来る????
そこで日本の今後の方針がある。
日本の問題点。
人口。エネルギー。食料・・・・・・・
人口減については、単純に移民と言う考えは問題が多過ぎる。
食料については、これからは足元を見られると言う。
中国も輸入大国である。
が中国は難しい事は言わない。
遺伝子組み換えがどうのこうのと言わない。牛でも丸ごと買う!
日本は注文が多いと言う。
どうすれば良いのか??
水道と言うか水の技術は日本にはある。
がそれだけではダメで、料金体系から全てを管理するシステムが必要になる。
それを売り込む。
(3大水メジャーは、フランスのヴェオリア、スエズ、イギリスのテムズウォーターで、3社の水ビジネス事業の売り上げは4兆円を超え、圧倒的なシェアを誇る。日本は1千億円のようだ。国を挙げて取り組んでいるのは、シンガポールや、韓国と言う。)
鉄道も一緒で日本の鉄道は優れている。
が車両だけではなく、保守・運行・サービス等の技術支援も行うようになって来ている。
初めは中古品をさばくだけの事だったようだが・・・・・・
相手の事情に合わせたものを売る。
新興国では車両は気動車、エンジン付きの車両とクーラー付きが喜ばれる。
インドでは鍵付きの冷蔵庫が売れる。
又日本式の2槽式の乾燥機付きの洗濯機は使えない。
電気の供給が止まっても一定の間冷蔵が確保される機能があるのは、韓国製!
韓国はその国に合わせた商品を開発している。
ベトナムでは、自動2輪は中国製にシェアを奪われたが取り戻した。
中国製がホンダのまったくのコピーだったので、粗悪な部品をホンダの部品に交換したようだ。
やがてやはりホンダと言う事になったようだ。
値段が下がれば買う層がいる。
これに対応する物を造ったようだ。
インドネシアは9割が日本車である。2000CCの車体に1500CC のエンジンを積み豪華に見せる。
荷物置きを座席にして、7人乗りにする。
要は相手の要望に合わせた商品を開発し売る。
他社より必要もない差をつける必要はないと言う事のようだ・・・・・・
やはり現地で実際に見て、意見を聞いて開発する!!!
幻想がある!
『日本人がつくるものが優れている』
『職人の技幻想』
『品質とは、あくまで消費者の要望で決まる!』
システムエンジニアは100万人いると言うが、本当のエンジニアは2~3%と言う。
これは危機的状態である。
危機管理が出来ていない。いつも言われている。
最後に著者が記述している。
「考え方を変える」
マニュアル通りに考えないで行動する。頭が硬直化する。自分で考える。
「からくりを変える」
高齢化と少子化による社会構造を変える。
「教育を変える」
時代に合わない教育カリキュラムの見直しと、格差社会による教育の差がないようにする。
著者の本は、大変参考になる物が多い。
今回も非常にためになりました!!
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