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2015年12月14日 (月)

映画・杉原千畝 スギハラチウネ

映画・杉原千畝を観た。

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20歳前後の時に新聞を読んでいた。
当時家は毎日新聞だった。
その時に杉原千畝の記事があった。
映画にもあったが、再婚した妻が、ちうねとよんだそうだ。
「ちうね」とちゃんと読んでくれたのは初めてだ!
と言っていた。
当然読めなかった………

やった事を読んでいて、偉い人がいるのだと思った!
それ以来月日は流れている。
知識も付いている。
どういう人なのかも知るようになった………
テレビでも取り上げられていた。

先週「海難1890」を観た。
歴史認識では日本も攻勢に出ているのかと思うが………
杉原千畝は唐沢寿明、妻は小雪である。
映画にもあったが外交官として満州で働く!
語学に堪能である!
当時の満州は日本の生命線になっていた。
満州ハルピン学院に入学する。
親が医者にしようとしたが本人は語学を生かしたい。
学費が要らない学校に入る。
後にウラジオストックに着いたユダヤ人を敦賀まで船に載せることを外務省は拒否する!
がこのウラジオストックの日本領事は、根井三郎でハルピン日露協会学校の出身で杉原とは旧知だった。
ハルピン学院には、「自治三決」という建学の精神があったようだ。
映画でも、杉原に根井が「自治三決」を言う。
第一 人の世話になるな。
第二 人の世話をしなさい。
第三 絶対に報いを求めてはいけない。

独断でビザを発行した杉原と同様に、根井は自分の責任で乗船を許可する!
部下は追い返そうとする。官僚が多い???
今の外務省で教育すれば良いと思うが………

映画の冒頭から謀略の場面である。
銃撃戦もある。
日本は北満州鉄道の譲渡をソ連と交渉中である。
結果は杉原の活躍により値引きに成功する。
が関東軍の裏切り、関東軍との軋轢に嫌気がさして日本に帰る。
杉原はソ連に行きたい!
がそうもいかない。不遇の日が続く。
その時に友人の妹と再婚する。小雪である。
再婚と言う事は映画では言っていない。ロシア人とである。

赴任先が決まらない!
ソ連から北満鉄道の一件を理由に『ペルソナ・ノン・グラータ』を発動され、
入国を拒否さる。
外交官になるには派遣国にそう認められると同様に、接受国にもそう認めてもらわねばならない。接受国から受け入れを認められた場合は「アグレマン」がされるが、逆に拒否が「ペルソナ・ノン・グラータ」。
この拒否はいつ何時でも一方的に発動でき、その理由を提示する義務はないが提示してもよい。
昭和14年、杉原は新設されたリトアニア・カウナス領事館への赴任が決定し、ソ連の動きを探るように命じられる。
後で調べたが、これを言い渡したのが、外務省の関満一朗!!!
映画の冒頭で、救われたユダヤ人が杉原を探しに来る。
これを、「そんな人物は記録に無い。お引き取り下さい!」と冷たく言う!
この時ビザを見せる。
誰かは分かっているが無視したようだ。
典型的な官僚である!!

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フィンランドを経由してリトアニア・カウナスに赴任する。
ソ連にいるより周辺国にいる方が情報が良く入る。
穏やかな街である。
ポーランドからユダヤ人が逃げて来る。
ソ連とドイツで東欧を二分しようとする。
バルト三国はソ連に併合されつつある。
ドイツのユダヤ人の虐殺の場面がある。
追い詰めて、「伏せろ!」
立ち残っている人を撃つ。
それを繰り返す。
指揮官は楽しんでいる。
ためらう兵もいる。
が容赦なく命令される!
そうなったらどうする???
ユダヤ人はそんなに嫌われていたのか??

オランダ領事も何とかしたいが何も出来ない。
本国がドイツに占領されている。
ビザを発行しても行くところが無い!
がユダヤ人が通過を求めていることに気が付き、地図を見る。
シベリア鉄道経由で日本へと行ける。
ソ連の通行許可はある。
カリブ海の小島キュラソーの入国許可証を発行する。岩だけのところのようだ………
そこに行くにはソ連から日本へ行く必要があった。
杉原はこのオランダ領事と懇意である。
オランダ領事もそれ以上何も出来ない。
杉原がビザを発行しなければどうにもならない!!
日本領事館の前に集まるユダヤ人達。
ここしかない!!
引き下がれない!!
杉原は日本本国と交渉する。
らちがあかない!
2週間で領事館は閉鎖になる。
ついにビザを発行する!

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この2週間を利用する。
手書きである!!
万年筆があった………
途中から領事館員が手書きの証明の印を造る。
時間が節約出来ると!!
圧力がかかる!!
領事館閉鎖後もホテルで発行し続ける!!
怪しげなパスポートもある。強引にビザを発行する。
この違法行為もついに終わりが来る。
汽車に乗らなければならない。

それまでに早く出国するように勧めていた家族がいる。
結局事業を整理してから出ようとする。
が時は待ってくれていない!!
出国出来なくなる。もうリトアニアは無い!
ソ連である!!

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ベルリンに赴任する。
ドイツ大使は大島浩。
ドイツ崇拝者である。
三国同盟に走る!
ヒトラーはじめナチにも信頼されていたようだ。
当然日本にもこれらのナチの情報を暗号で伝達する。
この話は、吉田一彦が詳しい。
アメリカはこの暗号を解読している。
貴重な情報であったようだ。生のヒトラーの情報である!!
がある時、「暗号が解読されている恐れがある」
アメリカはこの情報に息を飲んだ!
推移を見守っている!
結局解読されていないと言う事でアメリカは胸をなでおろしたようだ………

杉原は大島大使に情報を上げるが重要視されていない。
杉原自体、ソ連にもドイツも良く思われていない!
その中で独ソ開戦を予想する。
自分の目で兵の移動を確かめて確信する!
今なら間に合うと!
独自の道を探るように勧める!
その情報を伝えている時、イギリスのベルリン空襲がある。
どこがドイツの大勝利なのか??

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ルーマニアに飛ばされる??
大島大使に言われる。何もするな!!
終戦まで過ごす!
満州で杉原の協力者だった女性から手紙が来る。
リトアニアから脱出に力を貸している。
この偽装結婚で脱出した夫は科学者である。
後にアメリカに渡り、協力する!!
恐らく原爆であろう………
わびの手紙である。
そして多くのユダヤ人が救われたと!!!

1947年に外務次官から退職通告書が送付され、外務省を依願退職!!
映画の冒頭であった、ニシュリによる千畝の名前の照会時の杓子定規の対応まで、
旧外務省関係者の千畝に対する敵意と冷淡さは異常なものがあったようだ。
2000年に河野洋平外務大臣による名誉回復がなされるまで一貫していたようだ!!
杉原はユダヤ人に金をもらってやったのだから、金には困らないだろう」という悪意に満ちた中傷もある。

映画はソ連でニシュリと杉原の再会の場面で終わっている!!
杉原の感動的な物語である。
その中での外務省の、いかにも官僚と言う態度!!
軍人の偏狭さ!!
ユダヤ人殺戮場面の、人はこれほど残虐になれるのかと言う状況!!
良心はどう発揮されるのか??
金の為に命を落としたと言われても仕方がない実業家!!
何とかしようとするオランダ領事!
杉原に協力した部下達!!
面白映画でした!!
世界的にもヒットして欲しいと思う!!!

P.S.
北京で北朝鮮からの亡命者を追い返した中国大使がいる。
大使の親父が泣いている??
この時に、テレビで叫んでいた。
『杉原知畝はいないのか!!!!!!』
同感である!!

映画・杉原千畝の公式サイト

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