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2016年3月31日 (木)

本・日本異譚太平記(1999/11)・戸部新十郎

南北朝時代その混乱と猥雑さは、現代の混沌まで連綿と受け継がれている。楠木正成、足利尊氏、新田義貞・・・。悪党、山伏、天狗、鬼、婆沙羅大名等々、動乱の世をくぐり抜けた異才たちの生き様を、時代小説の第一人者が活写する。

20160331_book1

何度も言っているが、著者の大ファンである。
文体が好きである。
この本は物語ではない。
太平記がどのような時代だったのか?
そうして武将たちが、個々に記述される。
司馬遼太郎の日野富子を扱った本がある。
題名は『妖怪』
この時代はそう言う時代だったと思わせる。
鬼、天狗、山伏・・・・・・
妖怪たちがうごめく!
百鬼夜行・・・・・・・
天皇みずから乱交パーティーを主催する?
密談もあったもんじゃない。味方に引き入れるのに女を使っている?????
怪しげな話が一杯ある。
そう言う時代の説明から入って行く。

太平記は面白いと言う。
が権力争いなのに、それだけではないのが問題である。
天皇親政を意図する後醍醐天皇。
天皇に兵力があるわけではない。
実際に戦うのは武士である。
この武士たちも天皇についているのは、天皇親政を望んでいるわけではない。
自分たちの領土が守られれば、増えればよいと思っている。
その為にどちらについた方が有利なのか?
そう言う目で書いてくれればよいのに、皇国史観が入って来る。
勝てば官軍ではないが、勝った時に天皇側は不公平な恩賞の分け方をしたようだ。
楠正成、正行なんかは珍しいタイプである。
評価される価値は十二分にあるが、それだけである。
それより楠正儀が面白い。

楠正成の籠城がある。
攻めて来る北条の兵に糞尿、熱湯をかけるとある。
糞尿はともかく、熱湯は水と大釜と薪が必要である。
大体が山城である。
水と薪はどうしたのか?

佐々木道誉、高師直、足利直義・・・・・・
新田義貞も可哀想!
常に足利尊氏の下風になる。
鎌倉攻めも義貞の力ではなかったのか?
無かったようだ!
勝てば歴史は味方する。
源義家の文、『われの七代の孫に生まれ変わりて天下を取るべし』
七代目家時、『わが命を縮め、三代のうちに天下を取らしめ給え』
それが尊氏になる。

そんな都合の良い話は無い!

天皇側には大義名分があるのだろうが、理解できない!
天皇親政で何が変わるのか?
天皇の廻りの臣下が潤うだけなのか?

南北朝のどちらが正当なのか?
どちらも天皇家である。
天皇家の内部争いに、外野がとやかく言うべきではない!
天皇家もしょっちゅう継ぐのは誰かで揉めている。
南北朝なんて大した問題でないのでは?
『怒られそう・・・・・』
最後の方に足利義満の天皇家略奪の事が記述されている。
これも都合よく病死している。
死んでいなかったらどうなっていたか興味はある。
面白い本と思う!
実際の時代と、南北朝の事がよく分かる。
読み返して良かったと思う!

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