本・交渉術 (2011/6)・佐藤 優
外交官として北方領土交渉の第一線で活躍した著者が、実体験をもとにインテリジェンスの技法を明かす。各国のスパイが繰り広げるカネやセックスを用いた交渉術、霞が関官僚と政治家の交渉術、国家間の交渉に臨む首相や大統領の孤独―メモワールとして読んで面白く、ビジネスマンの実用書としても役に立つ、第一級の教科書。
目次を見ただけで内容が想像出来る。
自身の経験談なので、信憑性は高い!!
① 神をも論破する説得の技法
② 本当に怖いセックスの罠
③ 私が体験したハニートラップ
④ 酒は人間の本性を暴く
⑤ 賢いワイロの渡し方
⑥ 外務省・松尾事件の真相
⑦ 私が誘われた国際経済犯罪
⑧ 上司と部下の危険な関係
⑨ 「恥を棄てる」サバイバルの極意
⑩ 「加藤の乱」で知るトップの孤独
⑪ リーダーの本気を見極める
⑫ 小渕VSプーチンの真剣勝負
⑬ 意地悪も人心掌握術
⑭ 総理の女性スキャンダル
⑮ エリツィンの五段階解決論
⑯ 米原万里さんの仕掛け
⑰ 交渉の失敗から学ぶには
東日本大震災と交渉力
著者は5人のロシア・日本の指導者を知っている。
エリツィン、プーチン、橋本、小渕、森!
その時の北方領土交渉についてアドバイスしている。
自身外交官だったので、諜報機関との関係も深い。
人脈も相当ある。
著者はロシアから日本は交渉が下手だと言われたようだ。
確かに下手である。
誠実にやれば相手は納得する。
そんなことは無いと思うが………
余計に舐められるだけであると思う。
交渉には、飲む・打つ・買うが必要なのか??
著者のハニートラップの記述は参考になる。
誰がこの女どうですか?
ホテルに帰れば全裸の綺麗な女性がベッドに横たわっている。
そんな事はあり得ない!!
偶然を装う!
又、例えば女会っているときに、自動車事故を起こす。
女と会っていること自体やましい事がある。
この事故をもみ消すような事をして恩を売る。
何も要求しないが、後で響いてくる。
著者がいつも記述しているが、酒と女は限界がある。
酒なんかウオッカはいくら強い人間でも1日5~6本しか飲めない。
女もそうである。
いくらロシア人が好きでも1日に相手出来るのは知れている。
が金は限界がない。
いくらでも欲しくなる!
その辺りが脅される事になる。
味方のふりをして近寄ってくる人間が危ない。
これは映画・小説の話ではなく実際にあるようだ。
目次を見ただけで内容が想像出来る。
著者自身の経験からの話が主である。
ソ連、ロシアとの交渉がある。
その中から学んだことを記述している。実話なので嫌になるような話も多い!
ワイロの渡し方の話なんか最高に面白い。
自分でも参考に出来る話が多い………
(何の参考なのか??)
機密費の使いかたがある。
蓄財に励む事も出来るようだ………
「過ぎたるは及ばざる如し」と言うが………
著者はキリスト教徒である。
聖書から交渉の方法を記述している。
なにか亀に追いつけないウサギの話かと思ってしまう。
交渉術は、ユダヤ・キリスト教文化圏の思考様式と表裏一体の関係にあると言う。
著者はリトアニアと親しい。
杉原千畝の復権の話がある。
これも面白い!
こういう話になると、鈴木宗男は大した政治家と思う。
著者もそうだが、出る釘は打たれる???
北方領土の交渉も、著者が文筆活動を行っているのでよく分かる。
東郷和彦も出る釘と思われている???
外務省の内幕については散々記述している。
しかし、不利になると固まってしまう人間もいるようだ………
ちょっと信じがたいが………
暴力で相手を抑え込む交渉術がある。
ナチスドイツのチェコのズデーテン地方の割譲がある。
当時はドイツはヨーロッパ第一の強国であった。
が米英ソを凌駕するものではない。
暴力で抑え込むには、圧倒的な国力の差がなければならない。
北朝鮮がこの方法を取っているが、ものにはならないと言う。
麻生大臣がナチスドイツの手口をまねる話は、理由はともかくそれだけで欧米の批判を受けることになる???
チェチェンの20代の女性狙撃手の話があった。
何かと言うと、手足をロープで縛り車で引っ張ってバラバラにした………
この女性のライフルには20数個のマークがあった。
つまり20人以上ロシア兵を殺している。
黙認になる兵たちがおさまらないと言う。
黙認になる。
好意的誤解は放置する。
交渉しないと言う交渉術。
見識のある学者は、敵になればややこしいので、避ける傾向にある???
最後に東日本大震災と交渉力がある。
民主党政権の対応の批判がある。
ロシアのアスモロフ氏の批判ある。実際に日本に来ている。
① 民主党は長年野党にいため、危機管理システムの運営が出来ていない。
② 日本側は、外国の経験や助言を活用することは、欠点をさらけ出し、自らをおとしめろことになると考えていたようだ。
③ ロシアでは5分で決定できることを、会議、一人しかいない責任者の決裁を得るために時間を浪費し、事態の悪化を招いた。
④ ロシアから直ちに通電したが、日本側は9日もかけた。
⑤ ヘリコプターによる散水は無意味である。
⑥ 無人で建物の間近から放水する方法を思いつかなかった。
⑦ 危機管理の責任者は、東京でなく現地で行うべきである。
当たっているところはある。
がこれはロシアが日本のインテリジェンス能力を図っていると言う。
事故も原発自体でなく、日本の官僚的な管理システムに問題があるとしているようだ。
そうでなければ原発ビジネスが成り立たなくなる。
著者は著作で暴露しすぎなのか、ロシアにも名指しで批判されているようだ。
著者自身の話がある。
逮捕されて収入等の現金の流れを調査された。
何かあると思われていたが、白だったようだ。
それよりも自腹を切って、著者は国の為に尽くしていた、と思っている。
著者の本はよく読んでいるので、東郷和彦、鈴木宗男と北方領土に努力したのは分かる。
いきさつも著者の本で知ったが、ディーゼル発電機設置の理由もわかった。
が国策捜査である。
滅私奉公がある。自分の金を持ち出して仕事している。
仕事の為なので構わないと思う。
公私混同になる??
目的の為には手段を選ばない??
法律をバカにしている。
検事に言われたようだが………
これはやりすぎなのか?
大変面白く読ませて貰った!
著者の本が積んであるの早く読みたい!
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