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2016年4月23日 (土)

本・零戦 その誕生と栄光の記録(2012/12)・堀越 二郎

世界の航空史に残る名機・零戦の主任設計者が、当時の記録を元にアイデアから完成までの過程を克明に綴った貴重な技術開発成功の記録。それは先見力と創意、そして不断の努力が見事に結晶したものであった。「われわれ技術に生きる者は、根拠のない憶測や軽い気持ちの批判に一喜一憂すべきではない。長期的な進歩の波こそ見誤ってはならぬ」日本の卓越した技術の伝統と技術者魂を見直すことが問われる今こそ、必読の一冊。

20160423_book1

この本は昔に読んだ事がある。
が今回きれいな表紙になっていた。
当然ブックオフである。108円の方を買った。
子供の頃の悪ガキの話題は、メッサーシュミットとスピットファイヤーはどちらが強いのか?
ゼロ戦とグラマンは??
ジャイアント馬場とアントニオ猪木は??
そんな事が話題だった!

三野正洋をよく読んでいる。
兵器の比較がある。
戦闘機についてもある。
レシプロ機とジェット戦闘機に分けて比較がある。
レシプロ機の比較は面白かった。
実際に開発した技術者と、完成後の比較をする評論家とは違う!
両方読むとなお面白い!

ゼロ戦は中国戦線で完勝した。
中国軍相手とは言え、全機撃墜した。
恐るべき戦闘機である。
が欧米は舐めている!

ゼロ戦は良くも悪くも日本の国力を反映している。
ライバルは太平洋で戦った、グラマンF4Fワイルドキャットに、F6Fヘルキャットである。
F6Fヘルキャットは重戦闘機である。
2000馬力級のエンジンで機体を引っ張る。
持てる国の贅沢な戦闘機である。
資源の乏しい国が、身を削るようにして造ったのがゼロ戦である。
1000馬力級のエンジンである。
運動性の良い軽戦闘機である。

子供の頃はゼロ戦は強かったと思っていた。
数でアメリカにやられたと!
そう言う風な漫画も多かった。
長ずるに従って事実は分かって来た!
数と言うなら、その数を生む力とは、考えとは何なのか??
それもこの本を読むと良く分かる!

「十二試艦上戦闘機計画要求書」が発令される。
過酷な要求である!
技師は設計から担当する。
読んでいて経験がいると感じた!
センスもだろう………
大胆な発想!
堀越二郎にはあったようだ。
ゼロ戦の前の96式戦闘機も優秀だったようだ。
格闘戦を重視するのが日本である。
重量の軽減に苦労する。
ヨーロッパにアメリカは、一撃離脱型のスピード重視の戦闘機である。
試作機を造りテストパイロットにテストして貰う。
が、この時パイロットに気に入って貰わなければならない!
そう言う事も考える。
となれば極端なものを造れない。
大きすぎると敬遠される!
日本ではP38ライトニングは設計出来ないだろう………
設計も細かい!
エンジンが決まると大体の姿が分かる。
技術者たちの意地もある!
細かい点は読んでいて面白い。

航続距離、速度、格闘性能と3拍子要求される。
戦艦は、攻撃力、防御力、速度と求められが、戦艦は速度を犠牲にしている。
これに対して巡洋戦艦と言うカテゴリーがある。
これは防御力を犠牲にしている。
何か犠牲にしなければならない。
技師もそれを海軍に質した。
格闘性能を重視するのかどうかが問題である。
源田実と柴田武雄の対立!解決しない!!
燃料タンクを取付けることで航続距離の増加を図る。
ドイツBf109はこれが出来なかった。
なのでバトル・オブ・ブリテンに敗れたと言う!
ゼロ戦はテストパイロットの殉職もあり優れた戦闘機になって行く。
原因追及は徹底的にやる。

7.7mm機銃と20mm機関砲を取付ける。
機銃は7.7mm、12.7mm、20mmの組合せが問題になる。
イギリスは小口径7.7mmを多数取り付ける。
アメリカは12.7mmが主体である。初速が早く弾道性能が良い。
ドイツ・日本は組合せが主流である。
技師は記述していないが、20mm機関砲は当たれば一発で撃墜出来る。
が弾道性能が良く無く命中率は悪かったようだ。
この20mm機関砲の振動を抑える工夫があったようだ。
戦闘機の全長に影響するようだ。
世界で最初にB-17を撃墜したのは坂井三郎のゼロ戦である!

日本の飛行機工場は飛行場に隣接していない。欧米は隣接している。
工場から飛行場に運ばなければならない。
これを運ぶのに牛車を持って行う。
牛歩の歩みである。
道路事情が悪いので、トラック等で運ぶと振動で飛行機がおかしくなる。
日本の土地事情があるとは言え、情けない話である。
これを三野正洋は批判していた。

一日一機か二機しか完成しなかった。
消耗戦には耐えられないだろう………
日本の国力の限界である。

ゼロ戦は良くも悪くも日本を反映した戦闘機である。
日本人が得意とする格闘戦に優れている。
操縦性も良い!
資材等から考えても、ゼロ戦と言う戦闘機が日本に合っている。
ただもう少しの工夫が必要である。
防御力の増加。
機銃の選定。三野正洋は12.7mm4門が良いと思っているようだが………

三野正洋の意見だが、陸軍一式戦闘機隼がある。
ゼロ戦に似ている。パッと見ただけでは分からない。
性能も似たようなものである。
が詳細を見るとゼロ戦の方が優れている。
ゼロ戦の派系型として隼を造った方が良かったのではないか??
そうすればもっと量産出来たのではないかと言う??

堀越二郎は、その後局地戦闘機「雷電」も設計する。
病気がちで、設計出来なかったようだ!
しかし日本はゼロ戦があったことは誇れると思う!
隣国がひがんで批判しようと、この戦闘機で太平洋戦争を戦った!
戦っている中国自身は自国の戦闘機ではない!
自国で開発したことが凄いと思う!

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    呉の大和ミュージアムです。 2012年9月に訪れました。